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たぬきの恩返し?

山あいの小さな村に、一匹のずる賢いけれどどこか憎めないたぬきが住んでいた。名前は「ぽん太」。ぽん太は人を化かすのが得意で、よく村人たちを驚かせては笑って逃げていった。ある日、ぽん太は村の豆腐屋の前で腹を空かせて座っていた。豆腐屋のじいさんは...
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森の語り部・シロヘビ

深い森の奥、誰も近づかない古い大樹の根元に、一匹の白いヘビが棲んでいました。名前はシロ。年齢は誰にもわからず、森の動物たちの間では「千の季節を知る者」として知られていました。シロは特別な力を持っていました。森で起こった出来事や動物たちの記憶...
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風のマングース

島の西側に広がる草原に、一匹のマングースが住んでいた。名前はクー。小柄でしなやかな体つき、琥珀色の瞳が特徴の若いマングースだった。クーの住む島には、昔から伝わる言い伝えがあった。「風の谷にたどり着いた者は、本当の強さを知る」。マングースの一...
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北の森のヌプリ

北海道の奥深い山中に、「ヌプリ」と呼ばれる一頭のヒグマが暮らしていた。アイヌ語で「山」という意味を持つその名は、まだヌプリが小熊だった頃、森で暮らす老人に名付けられた。ヌプリは生まれつき体が大きく、毛並みは深い焦げ茶色で、目は琥珀色に輝いて...
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潮騒に耳を澄ませて

小さな港町で育った遥(はるか)は、物心ついたころから海が好きだった。朝、登校前に防波堤で潮風を浴び、放課後には浜辺で貝殻を拾った。夏休みになると、町外れの小さな水族館で開かれるイルカショーを、何度も何度も繰り返し観た。ジャンプのタイミング、...
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森のクッキー屋さん 〜くまのコンラッドの物語〜

深い森の奥、シダと木苺の茂る小道を進んだところに、小さなクッキーのお店がある。屋根には苔がふかふかに生え、煙突からはほんのり甘い香りが立ちのぼっている。お店の名は「クマのコンラッドのクッキー屋さん」。店主は、その名の通り、大きな体に優しい目...
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ポメの森の大冒険

ふわふわの毛に包まれた小さなポメラニアン、ココは、町はずれの一軒家で暮らしていた。ココは飼い主のさくらが大好きだったが、ひとつだけ心に秘めた夢があった。それは――家の外の世界を、自分の足で歩いてみること。いつもは庭までしか出してもらえない。...
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白い風のルカ

ルカは、真っ白な毛並みをした日本スピッツの男の子。くるんと巻いたしっぽと、どこか誇らしげな立ち姿が印象的だった。飼い主のカズキと東京の郊外で暮らし、毎日公園を散歩し、おやつをねだっては丸くなって昼寝をする。のんびりとした日々。しかし、ルカに...
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川辺の住人ヌートリア

静かな町の外れ、小川のせせらぎが響く場所に、ヌートリアのリオは住んでいた。ふさふさした茶色い毛と、くりくりとした目を持つリオは、家族とともに川辺の巣穴で暮らしている。リオは生まれたときからこの川で育ち、葦の茂みを泳ぎ回ったり、草の根っこをか...
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はじめてのうみ

海の青さが朝日に照らされて、キラキラと輝いていた。岩の隙間に、小さなふわふわのかたまりがひとつ。そう、それは生まれたばかりの赤ちゃんラッコのリオだった。リオはお母さんラッコのお腹の上で、ぽかぽかと日差しを浴びながら、ゆっくりと目を開けた。海...